鈴木淳夫は、2003年から『Carved Painting (彫る絵画)』と命名した独自の作風を貫いている。 『Carved Painting (彫る絵画)』とは、日本における芸術の発展を担った『彫る』ことに焦点をあ当てている。 これは支持体となる木のパネルにアクリル絵の具を何層か塗り、その上から彫刻刀で彫っていく絵画である。
本展覧会では、『彫る絵画』の『絵画』部分を追究する上で 重要となる絵画性とはなにかを問う。 延々と『彫る』技法により形作られている作品は 色の存在によって『絵画』となっていく。 これまでの作品は、いわばパレットに絵の具を一色ずつ出し、 単色の色を確かめながら組み合わせを考えてきた。 そして今回発表する作品は、それらの色を置いて描く段階を表現する。


鈴木真里絵